ネクストエンジンの初期設定

8,000商品、10,000SKUほどの商品を多店舗で販売している店舗様より、ネクストエンジンの初期設定を他社に依頼したが完成しなかった。在庫連携できるようにしてほしい。とのご依頼をいただきました。
引き受けたこの手の依頼を完遂しない理由はほぼ「楽天市場に問題がある」です。このクライアントも例に漏れず、大変厳しい状態でしたので対応内容を記します。

作業の手順は大まかに7つです。

  1. 基軸になるデータを策定する(このクライアントは楽天市場店)
  2. すべての店舗で横断的にSKUの管理ができているか確認する
  3. 楽天市場店を在庫連携可能な状態にする
  4. 他の店舗を楽天市場と在庫連携可能な状態にする
  5. ネクストエンジンでの連携方法を決定しマスタ登録する
  6. ネクストエンジンと店舗のデータを突き合わせて連携可能になっていることを確認する
  7. ネクストエンジンの初期設定を完了して稼働開始する

1.基軸になるデータを策定する

文字通り何を基準にするかをまず明確に決めます。例としてはJANや店舗が管理している品番、多いのは楽天市場の商品管理番号、商品番号とSKU管理番号、システム連携用SKU番号などです。クライアントは楽天市場店を基軸に据えました。

2.すべての店舗で横断的にSKUの管理ができているか、ネクストエンジンでの連携方法を確認する

すべての店舗で横断的にSKUの管理ができているとは、すべての商品のSKUが、店舗ごとにどうなっているかをデータとして保有しているということです。
楽天市場にある「item-01_s_red」というSKUの商品を他の店舗でも販売しているとして、その店舗でのSKUがどうなっているかを記載したリストが全商品分あれば、次の3と4の工程は不要で、ネクストエンジンに楽天市場のデータをマスタとして取り込み、他の店舗のSKUを紐づければよく、全店舗同一のSKUで管理できていればマスタを取り込んだ時点で完了なのですが、クライアントはリストをお持ちでなく、全店舗同一のSKUでもありませんでした。
この場合、クライアント側でリストを作成していただくか、基軸である楽天市場のSKUで他の店舗のSKUを上書きまたは商品を登録し直して、こちらでリスト作成するかとなり、クライアントは後者を選択しました。

3.楽天市場店を在庫連携可能な状態にする

他の店舗でも使えるSKUを作るということを念頭に置いて、楽天市場を作り直します。
具体的には他店舗の文字数制限と他システムの禁則文字で、特にYAHOO!ショッピング店やEストア(ショップサーブ)がある場合、諸事情からSKUやバリエーション項目名ににアンダースコアやスペース、半角記号が使えません。
本来であれば楽天市場の商品管理番号をキーに他の店舗も合わせていきたいところですが、クライアントは商品管理番号にアンダースコアを使用してたため不可能でした。
そのため商品番号を他サイトでも利用でき、かつ重複しない文字列に変更しておきます。
同時にバリエーション項目名、システム連携用SKU番号も見直します。

4.他の店舗を楽天市場と在庫連携可能な状態にする

楽天市場のデータが整ったら、他の店舗のSKUを修正します。
上書きできればよいのですが、仕様上不可能な場合は一旦商品を削除して登録し直します。
ここでの判断基準はレビューや販売実績です。SEOの観点から削除したくないものは除けておいて、別途紐付けリストを作成する必要がありますが、クライアントは全削除を選択しました。

5.ネクストエンジンにマスタ登録して各店舗のSKUを紐付けする

ネクストエンジンに商品をマスタ登録する場合、基軸になる楽天市場の商品データを読み込ませることが一番簡単ですが、クライアントは商品管理番号ではなく商品番号をキーにしていますので、必然的に同一商品でも他サイトとSKUとなる文字列が異なります。例えば楽天市場では「item_01_s_red」YAHOOでは「item-01_s_red」という具合です。ただ、全店舗分の商品SKUを作り直したおかげですべての店舗で横断的にSKUの管理ができるようになりました。ネクストエンジンに楽天市場のデータを読み込んでマスタ登録したのであれば、ネクストエンジンでは「item_01_s_red」になっています。楽天市場は良いのですが、YAHOOでのSKUは「item-01_s_red」と指定してやる必要があり、これを商品の紐付けと言います。

6.ネクストエンジンと店舗のデータを突き合わせて連携可能なことを確認する

ネクストエンジンでは登録されているデータが正しいかどうかの判断はできません。
そのため、「ネクストエンジン=楽天市場」「ネクストエンジン=YAHOO!ショッピング」「ネクストエンジン=Amazon」と販売店舗それぞれのデータと合致するかを確認します。

7.ネクストエンジンの初期設定を完了して棚卸後、稼働開始する

ここまでくればゴールは目の前です。ネクストエンジンに在庫を登録し、各店舗に在庫を飛ばして稼働を開始します。この在庫を登録する作業をネクストエンジンでは棚卸といいます。


いかがでしたか?EC参入当初から多店舗展開することを念頭に置いていたとしても、各モール、各ASP、さらには在庫連携システムの仕様まで包括的に網羅した上で商品登録することなど考えつきもしなかった店舗様も多いのではないでしょうか?
もっと突っ込んだお話をしますと、楽天市場とYAHOO!ショッピングとでは良いとされる商品名の作り方のルールが違います。長く運営している店舗様だからきちんとできているとは限りませんで、そこに新参企業の勝ち筋があることもあります。

私はネクストエンジン販売パートナーです。
同様にお困りの店舗様は代行しますのでお気軽にお問い合わせください。

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